# HTTPの現状確認

HTTP 1.1はインターネット上で広く何にでも使われるプロトコルになりました。このような世界で優位に立つためプロトコルやインフラストラクチャーに多大な投資がなされてきました。それにより、今日では自ら全く新しいものを作り上げるよりはHTTPの上で行うほうが簡単なのです。

## 2.1 HTTP 1.1は巨大

HTTPが生まれた時、それはどちらかというと簡素で直截なプロトコルであると受け取られていました。しかし歴史はそれを否定しています。1996年発行のRFC 1945ではHTTP 1.0は60ページの仕様書で定義されていました。HTTP 1.1を定義するRFC 2616は3年後の1999年に発行されましたが、176ページにまで膨れ上がりました。さらに我々がIETFにおいてRFC 2616を更新した際、6冊の文書に分割され（RFC 7230からRFC7235）、合計ではページ数は増加しています。どれをとってもHTTP 1.1は巨大であり、必須ではないたくさんのオプショナルな箇所は言うに及ばず、詳細で細かすぎてわからない規定がてんこ盛りなのです。

## 2.2 多すぎるオプション

HTTP 1.1の微に入り細に入る規定や後の拡張のためのオプションのお陰で、一つの実装で全てを実装する（「全て」が何を指しているかを定義することすら不可能なのですが）ことがほとんど不可能に近い状況でソフトウエアエコシステムを構築してきたのです。このため、初期にほとんど使われていない機能はほとんど実装されず、それらを実装したとしてもほとんど使われることがなかった、という状況に陥ったのです。

後になってクライアントとサーバーがそういう機能を使おうとすると相互接続性において問題が生じました。HTTPパイプライニングはそのような機能の代表例です。

## 2.3 TCPの使い方がいま一つ

HTTP 1.1でTCPのすべての能力を使いこなすのは困難でした。HTTPクライアントとサーバーはページロード時間を削減するための解決策を見出すためとても創造的になる必要がありました。

並行して行われてきた他の試みの結果、TCPを置き換えるのは容易ではないと分かったため、我々はTCPとその上のプロトコル両方を向上させることを続けたのです。

単刀直入にいって、TCPは何もしない時間を減らしてデータを送信、受信している時間を増やすほど効率よく使うことができます。続く節ではTCPの不適切な使い方の例をいくつか見ていきます。

## 2.4 転送サイズとオブジェクトの数

今日で最も人気のあるいくつかのサイトの傾向とそれらのフロントページをダウンロードするために必要なことを注意深く見た時、明らかなパターンが浮上してきます。年を追うにつれてダウンロードしなければならないデータ量が徐々に増えていて、今日では1.9MBを超えました。この考察においてより重要なことは、平均で100個以上のリソースが1ページを表示するために必要だということなのです。

下の図が示す通り、この傾向はしばらく続いていて、近々変化するという兆しは見受けられません。下の図は世界において最も人気のあるWEBサイトをサーブするときの全体の転送サイズ（緑）、全リクエスト数の平均（赤）の増加、およびそれらが過去4年間でどのように変化したのかを示しています。

![転送量の増加](https://raw.githubusercontent.com/bagder/http2-explained/master/images/transfer-size-growth.png)

## 2.5 レイテンシーでwebが死ぬ

![](https://raw.githubusercontent.com/bagder/http2-explained/master/images/page-load-time-rtt-decreases.png)

HTTP 1.1はレイテンシーにとても敏感です。HTTPパイプライニングが諸々の問題により大多数のユーザーにおいて無効化されていることもその理由の一つです。

我々は過去数年間において人々が帯域の大幅な増加を享受していることを見てきましたが、レイテンシーの削減においては同程度の向上が見られていません。レイテンシーが大きなリンク、例えば現在のモバイル技術の多くがそうです、においてはすばらしい高帯域の接続が利用できたとしても素早いwebの体験をすることはとても困難なのです。

低レイテンシーが切実に求められている他のユースケースは、映像配信、例えばビデオ会議、ゲームの類、であり、それらは単純に事前に用意したストリームを送信するだけではないのです。

## 2.6. ヘッドオブライン・ブロッキング

HTTPパイプライニングは前のリクエストの応答を待っている間に次のリクエストを送信するというものです。これは銀行やスーパーマーケットのカウンターで列に並ぶことに似ています。あなたのひとり前の人が素早くすましてくれる人なのか、とても際限なく時間のかかる面倒な人なのかは知るよしもありません。これがヘッドオブライン・ブロッキングです。

![](https://raw.githubusercontent.com/bagder/http2-explained/master/images/head-of-line-blocking.jpg)

確かに注意深く列を選ぶことで回避できるかもしれません。また時には自分で新しい列を作ることもできるでしょう。しかしこのような決断をするということ自体を避けることは不可能であり、一旦決断した後は列を変えることはできないのです。

新しい列を作ることは性能やリソース面において不利であり、比較的少ない数の列数を超えるとスケールしません。完璧な解決策は存在しないのです。

2015年の今日においてもほとんどのデスクトップwebブラウザーはHTTPパイプライニングを既定値で無効にしています。

これに関するさらなる情報については、例えばFirefoxの[bugzilla entry 264354](https://bugzilla.mozilla.org/show_bug.cgi?id=264354)で得ることができます。


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